革新県政の会・革新市政の会

2011年10月27日

名古屋市が事業仕分 敬老パス“見直し” 野外学習センター“廃止” こうしたやり方でいいのか 市民からは疑問の声

名古屋市は、10月21日から23日の3日間の日程で、
市民を判定員にした行政評価、いわゆる事業仕分(外部評価)を行いました。市民生活に関係する30事業が仕分の“まな板”にのせられました。

その結果、市野外学習センター(市立高校生のための野外教育施設。
旧稲武町=現豊田市=)や女性会館など6事業が「廃止」とされ、敬老パス、生涯学習センターなど17事業が「見直し」とされました。「継続」
は公立保育園の運営(保育料値上げ)、30人学級の4事業にとどまりました。こうした事業仕分のあり方に、傍聴した市民からは
「市民の福祉や教育、くらしにかかわる事業について、経費削減のみをメーンテーマに、このような形で結論を出そうとしていくのはおかしい」
という疑問の声が上がっていました。

 

写真(上):事業仕分会場のようす(10月21日、名古屋市公館)

写真(下):仕分会場前で市民の願いをアピールする人たち(同22日)

 

各テーマ、市側の事業説明が10分、4、5人の学識経験者と市側との論議が45分、それにたいし公募で選ばれた20人の市民判定員が
「廃止」「見直し」「継続」の選択をしました。

 

初日の野外教育センターの論議では、学識経験者からは「市立高校生は恵まれている」「民間委託のメリット、デメリットは検討したのか」
などの意見が出されました。その結果、判定員の判定は、「廃止」が10で多数を占めました。30人学級では、「30人学級で8億円のコスト。
保護者や現場の人はいいと思うが、8億円でどれだけ問題が解決しているのか」など、いわゆる「費用対効果」の検証を迫る意見が続きました。

 

2日目の敬老パス問題は、今回の仕分の焦点として注目されました。「保育の40億円にたいし、敬老パスは130億円の事業費。
他の施策との比較でも市の一人当たり負担は図抜けている」「一年ずつ対象年齢を引き上げていくとか、利用の上限設定をしていくとか、
議論が必要と思う」などの意見が出されました。この結果、「見直し」14人、「廃止」1人、「継続」2人という判定になりました。

 

傍聴した市民からは「こんなに簡単に結論づけられていいのか。河村市長は判定員の意見を『市民の縮図』だといっている。
これを既成事実にして見直しや廃止を推し進めるのではないか」「現場の声を聞かず答えを出すのはおかしい」などの声が出されていました。

                             

事業仕分会場の名古屋市公館前では、仕分開催中の3日間、市民犠牲許すな連絡会など市民団体の人たちが、福祉、教育、
くらしの施策の切り捨てはやめてほしいというアピールを続けました。