革新県政の会・革新市政の会

2011年6月7日

【寄稿】市議会レポート(その2)

日本共産党名古屋市議団/山口清明さんの寄稿を掲載します。(その2)

 

 

≪今年度予算の基本的評価≫

 

3月議会に提案された2011年度市予算案は、「市民税10%減税」が盛り込まれなかった結果、中学卒業までの通院医療費無料化、
認可保育所や特別養護老人ホームの建設が進められるなど、市民の長年の願いに応える施策がいくつか盛り込まれました。

一方で、保育料の値上げ、市立保育園の廃止・民営化、城西病院の民間譲渡、緑市民病院の指定管理者制度の導入、
市立の障害者福祉施設や特別養護老人ホームの民営化、職員定数の大幅削減など、医療や介護、
保育や福祉への公的責任を投げ捨てる施策がいくつも盛り込まれていました。

 

名古屋城本丸御殿の復元に加えて、天守閣の木造再建のための調査費を計上するなど、新たな不要不急の大型事業を盛り込み、
ムダと浪費は温存されています。

減税を行わなかったことで生まれる62億円(補正予算案提出後は55億円)の財源を予算計上せず保留したままなのは、
財政民主主義の原則に反するものです。市長の財政私物化といわれても仕方がありません。

 

いずれも市民税10%減税の恒久化をにらんだ措置であり、河村市長の新自由主義的「構造改革路線」
が河村予算の基本性格であることには変わりがないのです。

 

≪保育料値上げを再び阻止≫

 

減税をテコにして、税収不足を意図的に生み出し、行財政改革の名で市民サービスを削る。
河村市長の路線を市民は決して容認しないことがまたしても鮮明になりました。それが2年続けての予算案修正による保育料値上げ阻止です。

 

減税の財源作りは行革で行うから市民にしわ寄せはしない、と河村市長は言い続けましたが、行革の名で保育料を値上げするのは、
結局市民負担による減税の財源づくりだとの批判が議会の内外から噴出しました。保育団体やお母さんらによる議員要請や議会傍聴、
市長と当局への抗議行動はマスコミの大きな注目を集め、世論を動かしました。減税日本の中からも、
委員会では保育料値上げの予算案の採択を棄権する議員が出ました。

 

こうした中で自公民3党は、保育料値上げ中止と地域委員会関連予算の削除の修正案を提出しました。日本共産党は、
保育料値上げ中止は大賛成だが、その他の予算の問題点は容認できないとの見地から、原案、修正案ともに反対、減税日本は市長の予算原案に賛成、
修正案には反対と態度表明しました。修正案及び修正部分をのぞく原案が賛成多数で可決されました。

 

2年連続して保育料の値上げを阻止したのは画期的な成果です。この成果をみんなの確信にしていただきたいと強く願うものです。

 

日本共産党名古屋市議団  山口 清明