2011年6月7日
【寄稿】市議会レポート(その1)
日本共産党名古屋市議団/山口清明さんの寄稿を掲載します。(その1)
≪議会の構図は変わったが≫
出直し市議選(2月13日)の結果、議会の会派構成は、減税日本ナゴヤ28、自民19、公明12、民主11、共産5となりました。
減税日本が第一党になりましたが過半数には及びません。過半数には、自公民3党が連合するか、
減税+自公民のどこか一会派という組み合わせが必要です。こうした力関係のため、選挙後初の市議会となった3月定例会(3月24日~4月27日)
の常任委員会では、減税+共産対自公民で賛否が同数になり、委員長の賛否で議案の行方が左右される場面もありました。
しかし、この議会で減税日本独自の存在感は薄く、議会の会派構成の基本的性格は、自公民の旧オール与党に減税日本が新たに加わった
「新オール与党政治」ではないかと私には思えました。
≪日本共産党市議団の仕事≫
日本共産党が数を減らしたのは残念ですが、一方で、存在価値を増やしたという声がマスコミや他党議員からも聞こえてきます。
その点も紹介させていただきます。
☆議長選挙で初の所信表明が実現
3月議会の議長・副議長選びで、自公民と減税は、これまでどおりのポスト配分を水面下で画策していました。新議会のスタートがこれで良いのか?
日本共産党市議団は、市民に開かれた議長選挙を行うよう提案しました。他会派にも賛同が広がり、
名古屋市議会史上初となる議長選挙の所信表明演説が実現しました。
☆議員報酬半減めぐり正論でリード
同議会には、議員報酬半減について、減税日本と、自民・民主の二案が出されました。私たちは、
報酬を半減するべきという民意は市議選ですでに明らかにされているという立場から、シンプルな報酬半減の実現を求めました。審議を通じて、
減税と自・民両案の問題点が浮き彫りになりました。この結果、最終的に日本共産党も共同提案者となり、特例という暫定措置(「当面の間」
だが特に期限もなし)ですが、議員報酬を年間800万円に半減する条例を成立させることができました。
☆浜岡原発の運転停止を正面から提起
東日本大震災の被災地支援については、問題点を率直に指摘しつつ、市が行える最大限の支援をと、行政当局にも協力してきました。
違いが鮮明になったのは原発事故への対応です。党市議団は、浜岡原発の危険性を本会議で3回も取り上げ、河村市長から「原発は危険だ」
との答弁を引き出しました。しかし、減税日本を含め他党からは「浜岡原発を止めろ」という質問はついに一つも出ませんでした。
3月議会が終わってそう間もない5月6日、菅首相が浜岡原発の運転中止を中部電力に求めたのでした。
日本共産党名古屋市議団 山口 清明