2010年3月23日
県内自治体病院「公立病院改革ガイドライン」で効率最優先の病院へ変容進む(地域医療守れと住民運動も各地で/愛知社保協が地域医療を守る交流会)
第3回地域医療を守る交流会が、3月6日、名古屋市内で開かれました。
自治体病院の縮小など地域医療の危機が大きな社会問題になっていますが、この打開をめぐって報告や住民運動の交流を行いました。
愛知県社会保障推進協議会(愛知社保協)が主催しました。
久保田武県社保協副議長が、国が打ち出した「公立病院改革プラン」 (※注1)
「公立病院改革ガイドライン」 (※同)
への県内自治体病院の対応について、同協議会の調査結果を報告しました。
それによると、県内に30の自治体病院のうち、引き続き自治体直営を続けるのは全体の17%、5病院しかないことが明らかになりました。
直営からの移行を決めたり、移行への動きをしているところの内訳(重複あり)は、公営企業法全部適用 (※注2) が9病院、独立法人化が8病院、指定管理制度導入が5病院、民間移譲が2病院、
廃止が1病院でした。この中には、名古屋市の市民病院の城西病院(廃止)、緑市民病院(指定管理者制度)も含まれています。
牧野忠康日本福祉大大学院教授が、地域医療を守り発展させるための提言を行いました。
城西病院の存続を求めて運動している名古屋市中村区・中川区の「城西病院をよくする会」や、
県立循環器呼吸器病センター存続を求めている一宮市の「公立病院を守る会」からの発言もありました。津島市の住民からは、市長、市民病院職員、
市民が一体となって取り組まれている地域医療を守る運動が報告されました。
※(注1) 公立病院改革プラン、公立病院改革ガイドライン (1)経営の効率化、(2)病院機能の再編・ネットワーク化、
(3)経営形態の見直しを一体とし、自治体の一般会計からの赤字補てん制限、とくに病床利用率3年連続70%
以下の病院には抜本的見直しを求めるものです。
※(注2) 公営企業法全部適用 自治体病院を、独立した他の公営事業と同じ地方公営事業として運営するもの。自治体病院は、
財務のみ公営企業法を適用し、他は地方自治法にもとづいて運営をする公営企業法一部適用が認められていますが、
最近では経営効率最優先の病院運営を目的に、全部適用化を進める動きが強まっています。
名古屋市でも2007年に、市立病院を公営企業法全部適用にする条例改定が強行されました。