2007年10月1日
保険料の独自減免、滞納者に資格証明書を発行しないことを求めて(愛知県後期高齢者医療広域連合と懇談)
9月21日国保会館で、県社保協(愛知県社会保障推進協議会)が、
愛知県後期高齢者医療広域連合会(広域連合会)と懇談を行ないました。広域連合会から鈴木総務課長、上野事業課長、県社保協から古田副議長、
加藤事務局長はじめ各団体代表者26人が出席しました。
後期高齢者医療保険の保険料について、国は平均月6,200円の試算を発表していますが、いくつかの都道府県、
とくに所得の高い大都市では7,000円を超える試算も行なわれています。しかし愛知県ではいまだに何ら明らかにされておらず、
その明示をめぐって、まず話合いとなりました。
結果は、9月末に広域連合会が、試算を国に報告することが明らかとなりました。しかし数字が一人歩きするとして公表をしぶったために、
県社保協が試算し、それを広域連合会側に示し、概容を推察することになりました。
この間、県社保協は、広域連合会に対して、名古屋市などで実施されている国保の独自減免制度、あるいは、
国保では75歳以上の保険料滞納者の保険証を取上げていないことなどを、後期高齢者医療保険に取り入れるように要求してきました。これに対して、
広域連合会は、軽減策は国の示す範囲内、保険料滞納者の資格証明書発行(保険証取り上げ)は、機械的な発行はせず、
各市町村と相談して行くことが検討されていると答えました。
最後に、被保険者となる圧倒的な人々が知らされていない、広報や情報公開の徹底を求めて懇談を終わりました。
なお、愛知社保協は、県広域連合会への改善要求を引き続き強めると同時に、
なによりもこの制度そのものを凍結させることをめざして署名運動などに取組んでいます。
いま、福田新内閣は、先の参院選挙の大敗を受けて、70歳~74歳の1割から2割への負担増、
扶養家族の75歳以上の保険料徴収などの凍結をいい出しました。参院の与野党逆転を背景に、さらに制度完全凍結に追い込む必要があります。
後期高齢者医療制度とは
昨年の医療改悪で、75歳以上の高齢者を対象に、
一人一人から保険料を月15000円以上の年金者から天引きする(15,000円未満は個別に徴収)、
後期高齢者医療保険制度が来年4月より実施されます。このことから、扶養家族となっていた75歳以上高齢者も新たに保険料を徴収され、
名古屋市では2万7千人もの人がその対象となります。
この新たな保険は、低所得者の保険料に一定の軽減措置はありますが、
現在名古屋市で行なわれている国保の減免制度はありません。このため名古屋市では、75歳以上国保10割減免5万人、
3割減免3万3千人に負担がのしかかってきます。
そして、何よりも大きな問題は、この制度、介護保険と同様に2年に1回に見直しがあり、
医療費、事務費、葬祭費が増えれば、自動的に保険料が値上げされる仕組みとなっていることっです。国は、こうしたことから、
後期高齢者医療の診療報酬(医療サービス料)を定額制にして、
診療内容を一定以上医療機関にさせないように仕向けることも合わせて検討しています。