2004年9月18日
東海自治体問題研究所が豪雨4周年でシンポジウム
「東海豪雨の教訓はいまだに生かされていない」
東海自治体問題研究所・東海豪雨研究会は9月18日、「東海豪雨の教訓を考える」シンポジウムを開きました。東海豪雨研究会は、 2000年12月からこれまでに42回にわたって研究会を重ね、東海豪雨4周年の9月11日に『このままでは水害は繰り返される。東海豪雨の教訓を考える。東海豪雨の研究4年、その成果をすべての人に』と題した2冊目の報告書を発刊しましたが、この発刊を記念してシンポジウムを行ったものです。
シンポジウムはビデオ上映ではじまり、パネリストは村岡明二郎(元鹿児島気象台長)、梅原紀美子(日本共産党名古屋市議)、浅井純二(自治体職員)、山田辰義(西枇杷島町内会連合会長)の各氏がつとめました。
パネリストの発言では「現状は防災インフラ整備も、情報中心のソフト面の整備も不十分。同規模の豪雨は、毎年どこかで起きているのが実態だ」(村岡氏)、「防災無線の機器は優れていても、情報を判断し、実際に動かせる人を育てなければ機能しない。
名古屋市では障害者に電話連絡するシステムもない」(梅原氏)、「春日井市は事前に高齢者や障害者に連絡して自主避難させた。町内会など既存の組織とともに、日常的なつながりを生かした地域防災力の強化を」(浅井氏)、「被災者の精神的な打撃は大きい。
高齢の自営業者は事業の再建が困難」(山田氏)などが指摘されました。
会場からは、「避難命令が出なかったため、どこに避難していいかわからなかった。避難所にはせめて着替えの用意を」(天白区野並の住民)の発言とともに、「子どもたちが今も水が出るとおもちゃを2階にあげる」「9月5日の豪雨で瑞穂区民が被災した。行政は緊急管理体制の充実を」
「排水ポンプが役に立っていない」「ポンプ場管理が委託される動きがある」「ハザードマップは自分の地域以外の状況も分かるように」などの発言が相次ぎました。