2004年2月13日
敬老パス有料化の予算案で革新市政の会が声明
革新市政の会は2月13日、同日発表された名古屋市の2004年度予算案について、「敬老パス有料化など市民に大きな犠牲を強いる一方、
万博など大型開発に湯水のように税金を投入するもの」とした声明を発表しました。
敬老パス有料化など市民犠牲、大型開発中心の
2004年度名古屋市予算案に対する声明
2004年2月13日 革新市政の会
1、松原市長は2月13日、「2004年度予算案」を発表した。その概要は、
財政危機を口実として敬老パスの有料化をはじめ市民に大きな犠牲を強いる一方、
万博および万博後のビッグプロジェクトに湯水のように税金を投入するという、市民総犠牲・大企業への大盤振舞いの典型というべき予算案である。
2、「予算編成の方針」では、「財政健全化への取り組み」をうたっているが、
実際の中身は敬老パス有料化、職員の703人の大幅削減、使用料・手数料の引き上げ、行政と民間の役割分担など、
すべての犠牲を市民と職員に押しつけるものである。大型公共事業の圧縮の姿勢はまったくない。
「受益者負担の適正化」と称して、敬老パス有料化、国民健康保険料の75歳以上減免基準引き下げ、保育料や高校・幼稚園授業料の引き上げ、
病院や福祉施設の上下水道料金割引制度の廃止、65歳以上高齢者の施設利用料の有料化など、そのほとんどが福祉・教育関連に集中している。
これによる削減額は約33億7750万円となっているが、そのうち敬老パス見直し(12億5900万円)
と国民健康保険料の75歳以上減免基準の引き下げ(18億6440万円)だけで31億円以上となっている。昨年の国民健康保険本人の3割負担、
福祉給付金の改悪と合わせ、本山革新市政の時代に築きあげてきた「全国に誇る福祉」が根こそぎ破壊されることになる。まさに
“お年寄りからむしり取る”市政となっている。
3、「予算編成の方針」の「重点施策へのとりくみ」では、その多くが万博・空港関連、都市再生事業、
既成市街地整備、高速道路建設など、大型プロジェクトに集中している。
2005年万博では、万博協会への補助金(46億円以上)と名古屋市パビリオンの出展(16億円以上)
など会場建設費に72億円以上が投入されるが、単年度の支出としては最大規模となっている。このほか、東部丘陵線整備に約50億円、
高速道路建設は約198億円という巨費が投入される。また、万博後のビッグプロジェクトの目玉とされる土地の高度利用(都市再生事業)では、
名古屋駅(トヨタ毎日ビルの建設)、栄周辺、サッポロビール跡地の開発に、惜しげもなく税金が投入される。
4、革新市政の会は、市民いじめの計画を撤回し、くらしを応援する予算に組み替えることを要求する。
市民に犠牲を押しつけた33億円余の財源は、大型プロジェクトのほんの一部を見直せば確保できるはずである。
この予算案は、20日からはじまる2月定例市会で審議されることになる。革新市政の会は、広範な市民、団体と力を合わせ、
「敬老パス有料化方針の撤回を」「市民犠牲をやめよ」「大型プロジェクトを見直せ」の世論を高め、要求実現にむけて奮闘するものである。