2024年5月17日
「なごや平和の日」アピールと河村市長の発言撤回と辞職を求めるFAX要請書を提出 革新市政の会
名古屋の革新市政の会は、「なごや平和の日」の制定をめざした高校生たちの思いを尊重し、市長発言への抗議と平和の日アピール(注1)、市長発言への抗議FAX178枚(団体60枚+個人118枚・注2)を市総務局に提出しました。「平和を望む名古屋市民・有志の会」もネット署名(戦争賛美発言の撤回と謝罪を求める署名)15,438人分を提出しました。2つの団体の参加者16名で要請を行いました。
ことの発端は、4月22日の記者会見の場で、記者から平和の日の制定の意義を問われた際に、市長は「祖国のために命を捨てることは道徳的行為」「(それを学校の中で教えることも)一定考えないかん」と公式の場で発言しました。行政の長という立場で「祖国のために命を捨てること」を賛美し、それを学校教育に持ち込もうと発言したことは平和憲法の理念にも反し、決して許されません。私たちはただちにこれらの発言を撤回するとともに、市長の職を辞することを求めました。
要請は、司会を西尾美沙子総務代表世話人(愛労連議長)がつとめ、今回の発言は由々しき問題で、深刻な事態である参加者からの発言を重く受けとめてほしいと申し述べて始まりました。
はじめに、早川純午総務代表世話人会代表は、「祖国のために~」発言に対して様々な団体、政党から抗議などが表明されているにもかかわらず、「道徳的行為」を改めて強調し、撤回するつもりはないと記者団に語っていることに「許せない。私自身医療に携わっていますが、医者は戦時中に兵士を救って再び戦場に送り込む苦い経験をした」「戦争をやめてほしいと願っている」と話しました。
平和を望む名古屋市民・有志の会代表の柴田氏は、市長発言に対し「何かしなければ」と思いネット署名に取り組み、賛同者が1週間で1万5千人を超えた。市長が、平和の日制定に向けて努力した高校生の願いに背き、戦争を賛美し、戦争のために死ぬことを奨励する発言をしたことは絶対に許せません。平和を望む市民に対しても謝罪と撤回をして欲しいと述べました。
参加者のうち5名の方が発言されました。
愛知県原水協の佐竹事務局長…制定に向けて尽力した高校生はこの言葉をどう受け止めるのか。広島の高校生による被爆者との共同作業から生まれた絵に学び自分たちに何が出来るかを問うてきた。間近で、平和への思いを語る姿を見てきたものとして、絶対に許すことができません。
有志の会の高橋さん…河村発言は衝撃的であった。会見では、戦争にならないように話し合いなど外交努力をするなどの言葉がなかった。戦争は起こるものだと決めつけたことに怒りを覚えた。
新婦人の森本さん…4人の子どもを育てている。市長の発言に怒りと不安を覚えた。市長の腹にある考えが変わらなければ市長の資質がないものだと思う。新日本婦人の会では地球上で起きている戦争に対して不安を持っており、武力では平和がつくれないことを絵本など通して語って心を育ててきている。
愛高教の寺田副委員長…教育に携わるものとして『教え子を再び戦場に送らない』のスローガンは、先の大戦の反省の上にたって作られた。市長の立場で、教育の中身まで踏み込むことを抑えて欲しい。
自由法曹団の田原弁護士…この要請の内容をきちんと市長に届けて欲しい。名古屋市は1963(昭和38)年に平和都市宣言を定めていることを市長は理解しているのか。市長は憲法99条に基づいて憲法擁護義務があるので逸脱すれば憲法違反になる。
市の幹部は要請に対して、市長にきちんと伝えます。「なごや平和の日」の内容は何度も説明している。記念式典は、市長自身、平和の日を作らなければとの思い入れはある。平和の日を空襲被害者の追悼と平和を願う日にしたいと思っている。また、平和教育は、名古屋空襲を知って、先輩たちがこのような体験をしたことを理解して平和を考えてもらおうと思っていると回答しました。
最後に、榑松総務代表世話人(革新県政の会代表)から、明日の「なごや平和の日」を、絶対に戦争を起こしてはならない、市民のための平和の日として伝わると良いと思う。私たちの思いを受けとめていただいたと思います。よろしくお願いしたいと述べ要請・懇談を終了しました。
*注1:名古屋から平和の日をアピールしよう~河村市長に対して抗議します~<全文>(PDF)
*注2:河村市長に対し、「祖国のために命を捨てよ」発言の撤回を求める<FAX要請>(PDF)