2011年1月19日
名古屋市議会の解散には反対です
市民のみなさん 私たち名古屋・革新市政の会は、今回の住民投票で市民に問われる「名古屋市議会の解散」には「反対」です。本文にその理由を3つのべます。ぜひご覧ください。
2月6日、「名古屋市議会の解散の是非を問う」住民投票について
2011年1月11日/名古屋・革新市政の会
私たちは、今回の住民投票で市民に問われる「名古屋市議会の解散」には「反対」です。以下、その理由を三つ述べます。
一つは、住民投票請求運動を市長が主導したことです。市の施策をすすめるために市長は、議会とねばり強く話し合いを行うことが必要です。議員は、多様な市民の支持で選ばれてきているわけですから、その過半数の支持を得られない事柄は、とりわけねばり強い対話が必要です。市長の意見が通らないから、議員を辞めさせるというのは乱暴すぎます。
憲法93条は、地方自治体の議員と首長は、それぞれ住民が直接選挙でえらぶことを明記しています。これは、地方自治をすすめるについて、議会と首長とが相互にチェックしあい、バランスをとっていくよう示した規定で、独裁を防ぐためです。「二元代表制は立法ミス」という河村市長の主張は憲法の精神に反した危険なものです。
二つは、住民投票で問われる議会解散の理由3点に大義がないからです。
第1に、議会が「市民税減税」を否決したからといいますが、もともと河村市長のマニフェストは「金持ち減税ナシ」の公約でした。ところが市長はこれに反して「一律10%減税」に固執し、減税による収入減の下で市立病院の売却を始め市民サービスを削り、国民健康保険料の大幅な値上げなど市民負担を増やしました。
議会が反対したのは、このように市民に犠牲を押しつける公約違反の金持ち減税だからです。「会」もこうした河村減税には反対です。減税は、所得の少ない方に行い、さらに国民健康保険料の引下げなどを実施すべきと考えます。
第2は、「地域委員会の全学区実施」に議会が反対したからだといいます。しかし、議会は、いまモデル実施中の8地域の結果を検証したうえで拡大の是非を判断しようとしています。私たちも住民自治を強めるために、これまでの町内会などの自治組織との関係を含めて市民的に議論をすすめていく必要があると考えます。モデル地域の検証結果もふまえないまま強引な拡大には賛成できません。
第3は、「議員の報酬半減」に議会が反対したからだといいます。確かに市民の中には、議会が何をやっているのか分からない、報酬が高すぎるという声があります。しかし、議会はこうした声を受けて今、議会基本条例を定めて改革に乗り出し、報酬引き下げについても第三者機関の議論をふまえてすすめる方向を明らかにしました。市長の意見に従え!と押しつけるのではなく、幅広い市民の声を聞きながら第三者機関が決めていくことが必要だと考えます。
以上、解散を求める3つの理由に大義がないと述べてきましたが、今回の住民投票のもう一つの問題点は、解散に反対か賛成か二者択一を迫ることです。
有権者の中にも、住民投票で問われる議会解散の理由である三点について、全て市長の言うとおりという人は、悩むことなく解散に賛成となります。しかし、賛成の項目もあれば、反対の項目もある方は迷います。でも、選択肢は一括して「反対」か「賛成」かしかありません。このような、住民投票には無理があります。
三つは、住民投票で有効投票が過半数を超えれば、3月13日に名古屋市議選が予定されます。愛知県議選は、いっせい地方選挙の4月10日です。市会議員選挙が、一箇月早まることによって約3億2千万円もの費用が余分に要ることになります。市長辞職に伴う市長選挙が3億円弱かかりますので、合わせて6億円もの税金が余分にかかることになります。
市民の貴重な税金の、これこそ最大の無駄遣いといえないでしょうか。
市政の会は、以上から市議会解散に反対です。2月6日住民投票ではぜひ解散に「反対」の意思表示を呼びかけます。