2004年9月27日
疑惑を究明する会が市長に謝罪と談合再発防止を申し入れ
新南陽工場問題の訴訟で官製談合が厳しく断罪される
名古屋市のごみ焼却施設・新南陽工場の建設をめぐる住民訴訟で、9月21日に判決が確定しました。
原告の「新南陽工場建設疑惑を究明する会」(呼びかけ人代表・大川浩正さん)は9月27日、松原名古屋市長にたいして、市民への謝罪と談合再発防止などを求める要請を行いました(要請書の全文は下記のとおり)。また、要請のなかで、返還される12億円余(遅延損害金を含む)の使途について、一部自己負担になった「敬老パス」の無料化、または入札監視制度新設のための費用にあてるよう申し入れました。
2004年9月27日
名古屋市長 松原武久 殿
新南陽工場建設疑惑を究明する会
呼びかけ人代表 大川浩正
新南陽工場
「損害賠償請求事件」の最高裁「決定」判決確定を真摯に受け止め、市は監査制度の見直しと談合再発防止を求める要請書
本年9月21日、最高裁判所第三法廷(藤田宙靖裁判長)は、「新南陽工場住民訴訟」において、一審被告鹿島建設株式会社、同株式会社奥村組、同株式会社石田組、同日産建設株式会社、同被告河邉信行(元名古屋市建築局次長)、同泉義信(元名古屋市会議員)らの上告を却下する決定を下しました。これにより、名古屋高裁の判決が確定しました。
市はこの決定を厳粛に受け止め、すみやかに被告らに確定判決を履行して損害賠償金を支払うよう請求するとともに談合事件の再発防止に努めることを強く要請いたします。
名古屋市は新南陽事件後も昨年10月に道路清掃事業をめぐる談合事件で現職の緑政土木局長と道路部長が逮捕され、市議が逮捕されるなど公共工事をめぐる汚職・腐敗事件は後を絶たず、「官製談合体質」は、まったく改善されていない。市民の政治不信は頂点に達しています。
新南陽工場事件の地裁および高裁判決は、地方自治体の公共工事を道具とした「官製談合」を厳しく断罪しています。新南陽工場第二期工事の入札において談合が行われ、市建築局河邉信行次長(当時)並びに市議会議員であった泉義信が主導的役割を果たした事実を認定し、かかる談合に基づく請負契約は無効であると断定した上で、この談合によって名古屋市には9億円を下回らない損害が発生したことが確定した。
名古屋市長はこの決定を厳粛に受けとめ、市民に謝罪することをはじめ
第一に、鹿島建設など一審被告らに対して、直ちに損害賠償額を市に支払うよう請求すること。
第二に、公共工事における談合排除と入札制度の抜本的な改善を具体化すること。
第三に、市民による「入札制度監視センター」(仮称)を設置し、入札を市民にガラス張りにすること。
第四に、市職員、特に建築局職員の関連企業への天下りを禁止する措置を講ずること。
以上の点を、書面にて10日以内にご回答されるよう要請します。