2017年8月7日
なごやの学校給食をよりよくする会が講演会 2017.7.22
学校給食は、心を込めて食を育て、子どもたちの命を育む、愛に満ちた仕事。自校直営は当然――「給食の母」、佐々木十美さんが訴え
給食づくりのすぐれた実践で「給食の母」ともいわれる、北海道・置戸町の「食のアドバイザー」、佐々木十美さんを迎えた講演会が、7月22日、名古屋市中区のイーブルなごや(名古屋市女性会館)で開かれました。なごやの学校給食をよりよくする会(代表・新村洋史名古屋芸術大学名誉教授)が主催したもので、90人の参加者が、「わたしの学校給食への思い」と題した佐々木さんの熱のこもった訴えに耳を傾けました。
佐々木さんは、学校給食は、心を込めて食を育て、収穫する人、搬送する人、献立を作る栄養士(教諭)、食材・献立を生かして調理する調理員などを通して、子どもたちの命を育み、体力や免疫力などをつける愛に満ちた仕事と指摘。調理員は、地元でとれた旬の食材を子どもたちに美味しく食べてもらえるよう、仕事の熟練を通じて子どもたちに提供していく非常に責任の重い仕事で、コストを理由に委託化するのは反対だと述べました。
名古屋市は、市立小学校の学校給食調理の民間委託化を進めており、現在8校で保護者らの反対を押し切って民間事業者への委託が行われています。なごやの学校給食をよりよくする会は、こうした市の方針に反対し、保護者や市民団体、労組などで結成。署名や学習会などに取り組んでいます。
市の給食づくりの現場で働く調理員も報告に立ちました。小麦粉から炒めて作るカレールーを紹介しながら、「より良い給食を作りたいという思いで努力し、経験を積んできました。これからも、少しでも子どもたちのためにより良い給食となるようにしていきたい」と訴えました。
民間委託されている小学校の保護者からは「業務責任者がすぐに交替したり、パートの人が変わったりしており、スキルの向上・継承ができるのか心配」と問題点を指摘する声が出されました。