2012年2月24日
医療や介護の負担さらに 福祉施設、市民病院「官から民へ」流れ一段と強める (名古屋市の新年度予算案の姿)
2月定例市議会にかけられている新年度予算案は、一般会計1兆288億円(今年度当初比▲2.0%)で、特別、
企業を加えた総額は2兆5,938億円(同+0.7%)。「金持ち減税」は強行しながら、その一方で、
福祉や医療など市民生活分野の施策の切り捨て、「官から民」へ施策の転換などが目白押しの予算案です。
65歳以上の介護保険料は、基準額が年額49,785円から65,282円へと15,497円もの値上げです。
加えて75歳からの後期高齢者医療も、平均保険料で年額75,775円から80,214円と4,439円の値上げです。
公的医療、福祉の切り捨ても拍車がかけられています。緑市民病院は新年度から指定管理者を導入、守山市民病院の廃止・
民間譲渡を打ち出しました。特別養護老人ホーム黒石荘や、知的障がい者授産施設(若杉、昭和橋、鳩岡)などは民営化を進めます。
保育も企業参入に道を開きます。
昨年秋の「事業仕分け」の「判定」に沿った各施策のカットの方向も強められています。「見直し」判定だった敬老パスは、
見直しのための調査費をつけます。市は2014年度から見直しを進める考えです。「廃止」
判定だった生活衛生センター展示室ムーシアムは廃止です。
リニア新幹線に対応したまちづくりや「名古屋大都市圏」の調査研究など大型開発推進の流れも強めています。
河村たかし市長が売り物にしている名古屋城木造天守閣復元のための調査、あおなみ線蒸気機関車実験走行、「世界の金シャチ横丁」
の基本構想策定なども計上しています。市長の看板政策の地域委員会も、各区で2地域、計32カ所のモデル実施を盛り込みました。
一方、一部ですが市民の要望や運動で施策が前進したものもあります。ロタウィルスワクチン接種費用の助成、
小中学校普通教室冷房化のための調査などです。